骨折した患者さんへの看護

骨折と一言で言っても、骨折する部位や骨折の状況によって患者さんの状態はさまざまです。
しかし、共通していえることは、骨折した部位の周辺の痛みを伴うこと。
部位によっては体中に痛みを感じることもあるようです。
こういった痛みを軽減させる看護が非常に必要になってきます。
しかし、痛みの中には精神的な落ち込みなどから感じる痛みもあります。
骨折してしまったというショックや、骨折して体を動かせなくなったことによる精神的なダメージから痛みを強くかんじる場合があるのです
ですから、看護師は常に患者の気持ちを考え、精神的にも支えてあげることが大切です。
精神的な痛みが緩和されるだけでずいぶんと患者さんの状態も変わってくることが多いのです。
また、骨折によって、骨折した部位やその周辺は固定され、動かせなくなります。
足なら歩くことができなくなりますし、手や腕なら日常生活を行う上で相当な制限が出てきます。
骨折によって患者さんができなくなってしまったことを補うのも看護師の重要な仕事です。
ただ黙々と、患者の状態を治すための看護をおこなうのではなく、常に患者の気持ちに寄り添って、患者さんが心地よいと感じる看護を行うことが大切です。
余談ですが、認知症を持っている患者さんが骨折したときの看護を行う看護師は非常に大変です。
認知症を持った患者さんは、痛みを感じないことがあるのです。
自分が骨折していることすら忘れてしまっているので、大腿部骨折を起こしているのに歩き回ったりすることもあるようです。
また、どうして固定されているのか理解できず、固定しているものをはずしてしまったりすることもあるといいます。
こういった患者さんに対応することこそ質のいい看護師としての腕の見せ所と言えるのかもれません。